hamurabiou’s diary

主に航空トリビアや時事的な航空ニュースについて掘り下げます

DC-10の事故たちをまとめてみる

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どうも、ハムラビ王です。

今回はクソ欠陥機とか言われてるDC-10の事故たちをまとめてみようと思います。

<アメリカン航空96便貨物ドア破損事故>
デトロイトを離陸後にDC-10の貨物ドアが破損して、機体が損傷した事故。離陸後に貨物ドアが破損したため急減圧が発生。その減圧でコックピットの埃などが舞い上がり、ドーンという低い音もなり、操縦士たちは問題に気づいた。客室にも穴が空き、そこに客室乗務員が落ちたが救助された。(リアル リポDのCMやん)。操縦士は異変には気づいていたが、穴が空いていることまでは知らなかった。その後奇跡の着陸を行う。この事故よりメーカーに改善命令が出されるも、ダグラスは小手先の回収しか行わなかった。後に大事故を起こすとも知らずに。

<トルコ航空DC-10パリ墜落事故>

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↑慰霊碑

またまた、DC-10の貨物ドアの欠陥から貨物ドアが圧力に耐えられずに脱落して、貨物室内で急減圧が発生。そして床も気圧の差で破壊され、DC-10の床に通っていた方向舵と昇降舵が断たれて、操縦不能に。そして第2エンジンの制御も効かなくなって墜落した事故。異常発生後はエンジン推力が下がり、機首下げ体制となり急降下して墜落した。尚、この機体は当初、全日空向けに生産されたが田中かくえーのロッキード事件のせいで余った機体で、それをトルコ航空が格安で引き取ったものだ。

<アメリカン航空191便墜落事故>

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第1エンジンと第1エンジンのパイロンが外れて、左翼のスラットが格納されて、左翼だけ揚力を掴みづらい状態となり、失速して墜落した事故。エンジンが脱落した原因としては、アメリカン航空によるエンジンの取り外し作業に問題があった。それはエンジンをフォークリフトで下ろすものだったが、それはメーカーが推奨する作業ではなく、第1エンジンのパイロンが接続されている部分が損傷したことが原因だった。この整備ミスはコンチネンタル航空でも見られた。ユナイテッド航空はクレーンを使用する方法で外していたため、損傷はなかった。アメリカン航空は前述の貨物ドア事故と当事故の影響で、ローンチカスタマーのアメリカン航空は機体前部に書いていた機種名を消した。

アメリカン航空の機材は機首の左側に機種名が書かれている。それが消されるほど、アメリカン航空にとってDC-10はお荷物機材だったのだ。尚、この事故以降に多数の乗客はDC-10のフライトのキャンセルが一気に増えたため、アメリカン航空はせめて機種名だけでも隠すために消したとされる。

<ニュージーランド航空901便墜落事故>

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ニュージーランド航空のDC-10が南極の周遊飛行の際にエレバス山に激突した事故。南極は磁気コンパスが狂うため、特殊な飛行方法が必要となるが、901便の操縦士には南極飛行の経験者は航空機関士だけであった。そして、南極飛行の際に機長は南極を間近に見てもらうためか、通常より低い高度を飛行したが、ホワイトアウトという、雪による光の乱反射で視界一面が白色になって高度がわからなくなる状況となった。そして対地警報が鳴り、操縦士たちは混乱し、間も無く墜落した。これに関してはDC-10が欠陥だのどうのこうのという問題ではない。事故当時に南極の周遊飛行を行っていたのはニュージーランド航空カンタス航空だった。しかし、この事故以降にニュージーランド航空は南極の周遊飛行を辞め、カンタス航空も行わなくなった。

<ユナイテッド航空232便墜落事故>
第2エンジンのファンディスクがチタン合金の欠陥によって飛行中に外れて第2エンジンが停止。そして油圧も全て途切れたが、たまたま同乗していた教官も操縦に加わり、左右の2つのエンジンの推力を調整することにより不時着に成功した事故。その教官は頭蓋骨を骨折する怪我を負った。

<フェデックス705便ハイジャック未遂事件>

リストラされそうになっていたフェデックスの従業員が飛行機をハイジャックして、本社ビルに突入させ、フェデックスに従業員に対する慰謝料で会社ビルと会社をどちらも潰そうとした事件。犯人がコックピットに入り、機長、副操縦士航空機関士の頭部を殴り機体をハイジャックしようとしたものの、怪我の浅い機長と航空機関士で犯人を捉えた。その時に一番怪我の深かった副操縦士は出来る限り機長らに有利になるように機体を操縦した。その操縦でコックピットは血まみれになったという。ハイジャック犯を拘束した後は副操縦士は機長と操縦を交代して無事、着陸することができた。


こんな感じで事故は凄い多いのですが、たしかにダグラス社が悪いものもあるのですがヒューマンエラーも多いんですよね。なんで、一方的に欠陥があるとは言えない気がします。ただ、新世代型のMD-11は操作性に難があるので同時期の飛行機よりも事故が多めです。

ちなみにコンコルド墜落事故の時に滑走路に落し物をしたのはコンチネンタルのDC-10です。ただコンコルド墜落事故も詳しくまで調べていくと必ずしもメーカーが悪いとも言えないんですよね。

僕の弁護もここら辺で終了します。

ではまた今度。